[ワシントン 29日 ロイター] - トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談をめぐる疑惑に関連し、下院情報特別委員会のシフ委員長(民主党)は29日、トランプ氏とロシアのプーチン大統領や他の外国首脳との電話会談の記録も入手する決意だと言明した。

シフ委員長はNBCの番組で「米国の国家安全保障を保護すると同時に、トランプ大統領が他の外国首脳、特にプーチン大統領との会話でも、自身の選挙戦を有利に運ぶ思惑で国の安全保障を脅かしたかどうか検証することが極めて重要だ」と述べた。

ウクライナを巡る疑惑を指摘した米情報機関関係者の内部告発状によると、ホワイトハウスの弁護士はトランプ氏とゼレンスキー氏の電話の電子記録を通常の保存場所から、機密情報の保存用に限定された別のシステムに移すよう指示したという。民主党はこれを隠蔽工作とみている。

シフ委員長は「プーチン氏や他国の首脳との会話記録も隠蔽のために、秘密の情報活動用の同じ電子ファイルに隔離されているとすれば、われわれは調べる決意だ」と述べた。召喚状を出すかどうかには言及しなかった。

さらにABCの番組で、内部告発者が下院情報委で証言することに同意したと明らかにし、早期に実現することを望むと述べた。

議会は告発者の身元を保護する作業などを進めている。

トランプ大統領はツイッターで、内部告発者や、告発者に「違法に情報を提供した人物」に「会いたい」とし、「この人物は米国大統領をスパイしていたのか?結果は重いぞ!」と書き込んだ。また、根拠を示さずに「詐欺・反逆罪でシフ氏を最高レベルで尋問すべきだ」と主張した。

シフ氏はABCで、トランプ氏の顧問弁護士であるジュリアーニ元ニューヨーク市長がウクライナ当局にバイデン前米副大統領に関する調査を行うよう働き掛け、トランプ、ゼレンスキー両氏の電話会談の下準備をしたようだとの見方を示した。

その上で、下院情報委は調査によってジュリアーニ氏の関与の詳細が判明した後、同氏に証言を求めるかどうか判断するとした。

ジュリアーニ氏は29日、トランプ大統領が許可した場合に限り証言すると述べた。