[シンガポール 30日 ロイター] - アジア時間の原油先物は小幅高。9月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想外に上昇したことを受け、同国の原油需要を巡る懸念が緩和している。

0300GMT(日本時間正午)時点で、米WTI原油先物<CLc1>は0.13ドル高の1バレル=56.04ドル。北海ブレント先物<LCOc1>は0.09ドル高の62ドル。

財新/マークイットが30日発表した9月の中国製造業PMIは51.4に上昇し、景況拡大と悪化の分かれ目である50を2カ月連続で上回った。生産と新規受注の増加が背景。

OANDA(シンガポール)のシニアアナリスト、ジェフリー・ハレー氏は「財新のデータは本当にサプライズだった。きょうのアジア市場にとってプラスの材料になる見込みだ」と語った。

その上で、PMIが中国の原油需要の伸び回復を示すには今後数カ月、同様の内容が続く必要があると指摘した。

北海ブレント先物は9月に2.6%上昇する見通しで、月間では6月以来の上昇となる。WTI原油先物は月間で1.7%上昇する見込み。

今月は14日に起きたサウジアラビアの石油施設への攻撃で同国の生産に影響が出て原油価格が押し上げられた。

関係筋が先週、ロイターに明らかにしたところによると、サウジの石油生産能力は想定よりも早く日量1130万バレルの水準を回復した。

ただ、中東を巡る地政学的緊張はなお漂っている。

サウジのムハンマド皇太子は29日に放映された米CBSとのインタビューで、世界各国が協力してイラン抑制に動かなければ、原油価格は想像を絶するほどの水準に上昇するとの懸念を示した。

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