[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日発表した8月鉱工業生産指数速報は前月比マイナス1.2%と、2カ月ぶりの低下となった。ロイターの事前予測調査では同0.5%低下と予想されており、これを下回った。鉄鋼、液晶製造装置・掘削機械、自動車部品などの減産が響いた。

9月の生産水準が企業の計画通りに実現すれば7━9月の生産水準は4-6月実績を下回る見通し。このため経済産業省は生産の基調判断を「総じてみればこのところ弱含み」に下方修正。「生産は上昇と低下を繰り返しつつも、ジリジリと下げてきている」(幹部)としている。

生産者在庫率指数は前月比2.8%増の110.5と現行の2015年基準で過去最高となり、「生産への影響を注視する」(同)としている。

8月の生産減少は、7月増産の反動のほか、鉄鋼では定期修理による減産や台風の影響があった。

上昇した業種は電子部品・デバイス工業、化学工業(無機・有機化学工業・医薬品除く)、無機・有機化学工業だった。消費増税前の駆け込み需要については「聞いていない」(同)という。

生産予測指数は9月が前月比1.9%上昇、10月が同0.5%低下だった。予測指数には上振れ傾向があり、これを補正した9月の試算値は前月比0.3%増にとどまった。

※グラフを追加しました。

(竹本能文 編集:石田仁志 グラフ作成:内田慎一)