[北京 29日 ロイター] - 中国の王受文商務次官は29日、10月に予定される米中の閣僚級通商協議を前に、両国が「冷静で理性的な姿勢で」貿易摩擦を解消するよう期待感を示した。閣僚級協議はワシントンで10月10─11日に開催される予定で、中国側は劉鶴副首相が率いる見通し。

対米交渉団に自身も加わってきた王氏は記者会見で、劉副首相が10月1日の国慶節(建国記念日)から同月7日の大型連休後の週にワシントンに発つと明らかにした上で、双方が意見の隔たりを埋める道筋を見出せるよう期待していると語った。「これが両国の国民と世界にとって有益だ」と続けた。

一方、複数の関係者の情報によると、トランプ米政権は米国の証券取引所に上場している中国株の上場廃止を検討している。米国から中国企業への投資を制限するための方策の一環で、中国企業の動きに安全保障上の懸念を強めていることが背景にある。[nL3N26I3Y4]

米国は中国市場について、米企業へのアクセス提供の欠如、技術移転の強要、および知的財産権保護の不備などを非難しており、中国側は反論してきた。

王商務次官は、中国は海外投資家に開放する部門をさらに増やす考えで、中国で事業を行う外資系企業の権利保護の方針に変わりはないとあらためて表明した。

これより先、鍾山商務相は会見で、貿易摩擦が同国に前例のない貿易上の難題をもたらすなか、中国企業は多くの困難に直面していると指摘。輸入を拡大する方針を示すと同時に、貿易の安定化に向けた措置が前向きな結果につながるとの見方を示した。ただ、踏み込んだ説明はしなかった。