[国連 27日 ロイター] - 中国の王毅国務委員兼外相は27日、国連総会で一般討論演説を行い、関税や貿易摩擦が世界の景気後退(リセッション)を招く恐れがあるとし、中国政府は「冷静かつ理性的、協調的に」問題を解消することにコミットすると表明した。

同相は「壁を作ることは世界が直面する課題を解決しない。自国の問題について他国を責めることも奏功しない。世界大恐慌から得た教訓を忘れてはならない」と言明した。

トランプ米大統領に直接言及することは避けつつも、「関税や貿易摩擦を誘発する行動は世界の産業・供給チェーンを混乱させ、多国間の貿易体制や世界の経済・貿易を巡る秩序を弱体化させる」とし、「世界をリセッションに陥れる可能性もある」と警鐘を鳴らした。

関係筋はこの日、トランプ政権が米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討していることを明らかにした。さらに米国の対中投資を制限するための方策を検討しており、中国に流れる米国のポートフォリオ(金融商品)資金を抑制する案も検討しているという。

王氏はまた、トランプ大統領の対北朝鮮政策を念頭に、朝鮮半島における新たな動向を踏まえ国連が対北朝鮮制裁決議を緩和することを検討するよう促した。その上で「非核化と和平メカニズムの実現を平行して進め」、段階的に信頼を確立することが、前進するための「現実的かつ実行可能な」方策と強調した。