[リヤド 26日 ロイター] - 米公共放送PBSが来週放送予定のドキュメンタリー番組によると、サウジアラビアの実力者であるムハンマド皇太子は、昨年10月にトルコのサウジ領事館で起きたサウジ人記者カショギ氏の殺害事件について、自身の監督下で起きたことだとし、責任は自分にあると認めた。

PBSは、カショギ氏の一周忌を控え、10月1日に「The Crown Prince of Saudi Arabia」を放送予定で、映像の一部が公開された。

ムハンマド皇太子はPBSの記者にカショギ氏の殺害事件について「私の監督下で起きた。全ての責任は私にある」と語ったという。ただ、自身が知らないところで起きた事件だと説明した。

自身が知らずにどのようにそうした殺人が起きるのかとの質問に対して「サウジには2000万人の国民がいる。公務員の数は300万人だ」と述べたという。

事件から数週間後にムハンマド皇太子は、カショギ氏殺害は「凶悪な犯罪」で「痛ましい出来事だ」と述べ、責任を負うべき者は裁かれると述べていた。

カショギ氏の婚約者は、ニューヨークの国連総会の合間に開かれたイベントで、ムハンマド皇太子に対して2つの質問があると述べ、誰が殺害を指示し、その理由は何かを知りたいと訴えた。

「今回の告白で、皇太子は殺害から自分を遠ざけようとしている。自身の監督下で起きたことだと認める一方で、関与は否定している。皇太子の発言は単に政治的な策略だ」と批判した。

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