[シカゴ 25日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は25日、連邦準備理事会(FRB)が7月と9月に決定した利下げに支持を表明した。ただ現時点ではFRBには経済指標がどのように展開するか見極める余地があるとの見方を示した。

エバンズ総裁はシカゴのロータリークラブで行った講演で、2%のインフレ目標を達成し、景気減速のリスクに対し保険を掛ける意味で「数回の利下げは効果的な可能性がある」と述べた。

市場ではFRBは年内に再び追加利下げを決定するとの見方が出ているが、当局者は9月に今年2回目となる利下げを行った後は一段の緩和の確約に消極的になっている。

エバンズ総裁は、米経済の成長はなおトレンドをやや上回っており、低失業と賃金上昇に支えられ消費の見通しも堅調となっているとし、米経済に対する楽観的な見方を表明。こうした状態は今後も続くとし、FRBは警戒を怠ってはならないものの、顕在化していないリスクに対応するために一段の措置を取る必要はないとの考えを示した。

その上で、FRBは貿易戦争などの問題にうまく対処してきたとし、今年これまでに実施された2回の利下げを踏まえ、米国のインフレ率は将来的にFRBが目標とする2%をやや超える水準に上昇していくと予想。「金融政策運営の面でFRBは良好な位置につけている。経済指標で正当化されたり、議論がその方向に進んだりする場合は追加措置の可能性は排除しないが、現時点ではFRBは良い位置にある」と述べた。

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