[ワシントン 24日 ロイター] - 米連邦通信委員会(FCC)は24日、携帯電話大手スプリント<S.N>が低所得者向け通信サービス支援のための補助金を不当に受給した疑いがあると発表した。現在、法執行部門が詳しい調査を進めている。

FCCのスタークス委員(民主党)は、この事案がきちんと解明されるまで、スプリントと同業TモバイルUS<TMUS.O>の合併審査を保留すべきだとの考えを示した。

両社の合併については既に米司法省が承認済み。ただFCCは、パイ委員長が承認を提案したものの、まだ正式決定には至っていない。18州の司法長官も合併阻止を裁判所に求めており、審理は12月9日に開かれる予定だ。

FCCによると、スプリントが低所得者向け通信サービスを提供する際に適用される補助金制度「ライフライン・プログラム」に基づき受け取った金額に関しては、相当する88万5000人の契約者が実際にはこのサービスを利用していなかった。

パイ氏は声明で「数百万ドルもの税金を申請して、何のサービスもしない企業がいるとはもってのほかだ。プログラムのルールと米国の納税者を軽視していることが分かる」とスプリントを非難した。

一方スプリントは「不適切に」受け取った補助金は返還すると約束するとともに、今回の件はFCCによるライフライン・プログラムの要件改定によって対象契約者数の算定をうっかり間違えたことが原因だったと説明した。また手続き改善のため、外部の専門家と協議していることも明らかにした。