[エフィンガム(イリノイ州)/サンフランシスコ 23日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁と米セントルイス地区連銀のブラード総裁は23日、それぞれの講演で、連邦準備理事会(FRB)の利下げや、利上げ路線からの政策転換によって今年の経済が支援されているとの見解を示した。

ただ、世界的な景気減速や貿易摩擦、地政学的リスクなどの逆風があるにもかかわらず、今後さらなる政策緩和の可能性を示唆したのはブラード総裁のみだった。

ブラード総裁は、FRBによる昨年以降の政策変更により、金融政策は1年前に比べ「かなり緩和的」になったが、市場は一段の追加緩和を想定していると指摘。

米国債の足元の「イールドカーブ」について、一段と正常化したようにみえるが、それは「市場が(FRBによる)将来的な政策変更を予想しているためだろう」と述べた。

デイリー総裁は、FRBによる金融緩和が、経済の足かせとなっているさまざまな問題の影響を「一部」相殺しているとの認識を示した。ただ、より完全な影響相殺に向けた追加緩和を支持するかどうかについては言及しなかった。

デイリー総裁は、FRBが今年これまでに実施した利下げには支持を表明。金利が低下すれば、世帯は住宅ローンの借り換えが可能になると指摘。支払い負担の軽減により消費支出が促されるとし、企業支出など他の経済分野の減速を「一部相殺」できるとの見方を示した。

FRBは今月17─18日に開いた直近の連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.75─2.00%に25ベーシスポイント(bp)引き下げた。今年2回目の利下げで、当局者らは今後は「会合ごと」に決定するとし、追加利下げへの明確なコミットメントは示していない。

デイリー総裁は今年のFOMCで投票権を持たない。ブラード総裁は投票権を持ち、直近の会合で50bpの利下げを主張した。