宇宙の始まりはビッグバンではない! 宇宙物理学者の吉田直紀が研究の最前線を語る
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注目のコメント
「物理学で扱う「真空」とは、粒子が反粒子とのペアで生まれては瞬時に消滅しており、平均すると何もないという状態のことで、宇宙が誕生するときも同じような状態にあったと考えられています。そして、ものが生まれては消える状態を「真空がゆらいでいる」といい、あるときそのバランスが大きく崩れて宇宙が生まれたと考えられているのです。」
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「ゆらぎ」という物理学的な概念の初出は定かではないですが、散逸構造(熱力学)で有名なイリヤ・プリゴジンの『混沌からの秩序』には記載があったように思われます。
確率的に生じやすい事態は、統計分布的に平均へ偏りますが、一方で、ごく小さな確率で別の事態が起こる可能性があります。ある量の変動がこうした分布を示すとき、その量はゆらいでいるということになります。
真空の場合は、何もないところ(観測限界)から、粒子と反粒子が生じる確率がわずかにあるため、ゆらぐのでしょう。
物理的な真空は、プラスの粒子とマイナスの反粒子が、生成消滅する過程が生じており、量的にその平均を取ると、0=真空ということなのでしょう。
イメージとしては、何もない空間から粒子と反粒子が生まれていることになりますが、おそらく観測できないエネルギーという物理理論上の何かがあることになるのだと思います。
アリストテレス系譜の剛体ベース科学を基に考える(素朴に小さな物体があると想定する)とイメージしにくいですが、産出性(働き)ベースのドイツ観念論に慣れていると納得しやすいです。エネルギーやポテンシャルが目に見えない以上、イメージできませんが。