(ブルームバーグ): シェアオフィス事業を展開する米ウィーワークが入居するロンドンの物件で問題が浮上した。大型ビル2棟の買い手が手を引き、交渉は暗礁に乗り上げている。

サウジアラビアを本拠とするシドラ・キャピタルは、ロンドン金融街に近いウィルソンストリート70番地にある物件を9000万ポンド(約121億5000万円)で買収するための協議から撤退したと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。関係者らは、交渉が非公開だとして匿名を条件に語った。ウィーワークが予定する新規株式公開(IPO)に対する投資家の反応が芳しくないことが背景にある。

また別の関係者らによれば、世界最大のシェアオフィススペースだとウィーワークが説明するウィーワーク・ウォータールーを巡っても、売却協議が行き詰まっている。シンガポールのブライト・ルビー・リソーシズは8月に同物件と、ロイヤル・ダッチ・シェルが賃借する隣接物件を約8億5000万ポンドで買収することで合意していた。ウィーワークのIPOを巡る混乱がブライト・ルビーの買収意欲に影響したのかどうかは明らかでないと、関係者らは語った。

関係者の1人によれば、ウィーワーク・ウォータールーの売却交渉は継続中で、結果がどうなるか確かなことは分からない。ウィーワーク・ウォータールーは、ウィーワークがビル全体を賃借している。

同ビルを売却する不動産開発会社のアルマカンターとウィーワークの担当者は、いずれもコメントを控えた。ブライト・ルビーの担当者からはこれまでコメントを得られていない。

関係者らによればウィルソンストリート70番地のビルについて、シドラ・キャピタルはコロンビア・スレッドニードル・インベストメンツ率いるベンチャーからの買収で協議していた。

シドラ・キャピタル、コロンビア・スレッドニードル、ウィーワークの担当者はコメントを控えた。

原題:London Deals for WeWork Buildings Falter Amid IPO Market Fallout(抜粋)

--取材協力:Lucca de Paoli、Alfred Cang.

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