[16日 ロイター] - サウジアラビアの石油施設に対して行われた攻撃スタイルが米国においてリスクとなる可能性は低い、とエネルギー・安全保障分野の専門家は指摘している。

サウジアラビアでは14日、国営石油会社サウジアラムコの石油施設が無人機によって攻撃され、国内の生産能力の半分が影響を受けた。

米シンクタンク、外交問題評議会(CFR)のエネルギー担当シニアフェロー、エイミー・マイヤーズ・ジャフェ氏は「米石油業界にはかなりの余剰がある」と述べ、米国では事故や嵐の後に製油所が稼動を停止することがよくあるが、市場にはほとんど影響しないと指摘した。

国内最大の油田があるパーミアン盆地はテキサス州とニューメキシコ州にまたがり、19万平方キロメートル超に及ぶ広大な地域に数千もの油井があるとし、「何らかの組織がヒューストン・シップ・チャネルなどの上空に無人機を飛ばして気付かれないとは考え難い」という。「私はどちらかというとサイバー分野の脆弱(ぜいじゃく)性のほうを懸念している」と述べた。

米民間情報機関ストラトフォーのセキュリティーアナリスト、ベン・ウエスト氏も、攻撃の影響を最も受けやすいインフラであるパイプラインは迅速な修復が可能と語る。

「たとえ攻撃されたとしても、米国の石油・ガス生産の半分に打撃を与える可能性は低い」とし、「イランは巡航ミサイルや無人機を使った攻撃よりも、サイバー攻撃を成功させる可能性がより高い」との見方を示した。