[ワシントン 16日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)は16日、米中貿易交渉の次官級協議を19日にワシントンで開始すると明らかにした。詳細には言及しなかった。

これより先、米商工会議所のトム・ドノヒュー会頭はライトハイザーUSTR代表が中国との協議について、知的財産権や技術移転などを含む「本物の合意」を求めていると財界幹部に伝えたことを明らかにした。同代表は、範囲を限定した暫定合意の可能性には言及しなかったという。

中国商務省は17日、次官級協議では財政省の廖岷次官が中国側の交渉団を率いると発表。同次官の訪米が10月にワシントンで開かれる両国の高官級経済・通商交渉に道を開くことになると説明した。

ライトハイザー氏とムニューシン米財務長官は10月上旬に中国の劉鶴副首相と協議を行う見通しだ。

トランプ大統領は前週、中国が一部の米国製品を追加関税対象から除外すると発表したことを受け、10月1日に予定していた2500億ドル相当の中国製品への関税引き上げを延期した。

両国は7月下旬以来、貿易摩擦の解消に向けた対面協議を行っていない。

法律事務所アキン・ガンプのパートナーで元USTR高官のスティーブン・コー氏は、米中ともに経済面で圧迫を受けていると指摘し、「両国とも痛手を受けているため、暫定合意の可能性はある。包括的な合意を求めているなら非常に難しいだろう」と述べた。

今回の次官級協議で、王受文商務次官に代わって、中国側の代表を務める廖岷財政次官について、USTR高官を経て現在はマクラーティー・アソシエーツのシニアアドバイザーを務めるジェームズ・グリーン氏は、貿易や市場アクセス分野で特定の権限を持っているわけではないが、貿易戦争に取り組む能力は十分あると評価。「かれ(廖氏)は、問題解決人。一定の進展を目指しているだろう」と述べた。

ただ「顔ぶれはあまり重要でない」とし、基本的に協議内容を本国に持ち帰り、多少の時間稼ぎをするだけだと指摘した。

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