[ニューヨーク 15日 ロイター] - 原油価格は、ニューヨーク時間15日夜(アジア時間16日午前)に15%超急伸して約4カ月ぶりの高値を付けた。サウジアラビア東部にある国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所が14日攻撃されたことが嫌気されている。

北海ブレント先物<LCOc1>は19%超高の1バレル=71.95ドル。米WTI原油先物<CLc1>は15%超高の63.34ドル。ともに5月以来の高値となった。

2250GMT(日本時間16日午前7時50分)時点では約12%高で推移。サウジ石油施設への攻撃を受け、トランプ米大統領が15日、必要に応じて米戦略石油備蓄を放出することを承認したと明らかにしたことから上値が抑制された。

アラムコは、攻撃により、サウジの石油生産が日量570万バレル減少するとの見方を示した。これは世界の石油供給の5%超に相当する規模。[nL3N266001]

RBCキャピタル・マーケッツのエネルギー戦略マネジングディレクター、マイケル・トラン氏は「原油価格の急伸は自然な反射的反応だ」とした上で、今後の見通しや上昇した水準を維持できるかは供給障害がどの程度続くかや、輸出へのコミットメントを達成できるかなどに左右されると指摘。

「早期に正常化したとしても、世界の石油供給の6%近くが失われる可能性は仮説ではなくなっている。リスクプレミアムが戻ってきた」と語った。