外資ブランドを渡り歩いた男。次なる挑戦は「福山の地方企業支援」

2019/9/22

川上から川下までつながっている

「待てよ。川上から川下まですべてそろっているじゃないか」。そんな池内精彦(いけうち きよひこ)さんのひらめきから「福山ファクトリーギルド」というデニムの新ブランドが生まれることになった。
広島県東部の福山市に2016年冬にオープンした「福山ビジネスサポートセンター(フクビズ)」。地域の中小企業の相談に乗り、経営改革や新規事業の立ち上げなどをサポートする。池内さんは公募に応じて「プロジェクトマネジャー」として2017年4月から働き始めた。
実は、池内さん。「ウォルト・ディズニー」や「エルメス」「ジョージジェンセン」「バリー」といった名だたる海外ブランドの管理や経営に長年携わってきた「ブランド・マネジメント」の専門家。
ジョージジェンセンやバリーでは日本法人の社長を務めた。複数の外資系ブランド企業からの誘いを断って、福山での地方企業支援という新しい世界に飛び込んだ。
フクビズには、開設から1年半で3000件を超す相談が寄せられ、まさに「行列のできる相談所」に急成長した。池内さんも地域の経営者たちの話を聞いていたが、別々に相談にやってくる会社が、実はデニム生産の川上から川下までつながっていることに気づいたのだ。
しかも、そうした会社は10キロ圏に集まっているにもかかわらず、経営者同士お互いには話したこともない。皆、岡山や倉敷のデニム関連企業に出荷しており、地域の横のつながりが不思議なほど無かったのである。

100%メイド・イン福山のデニム