[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円前半。ドルは米中対立の緩和などを背景に一時108.26円と1カ月半ぶり高値をつけたが、午後の取引では3連休を控えた調整的な売りが先行して伸び悩んだ。

きょうは実質的な五・十日に当たるが、実需のフローは予想より少なかったという。トランプ米大統領は12日、中間所得層向けの減税を来年のどこかで発表すると発言した。同発言は株式市場では好感されたもようだが、外為市場の反応は鈍かった。

「最近、リスク選好を促すニュースが矢継ぎ早に報じられているが、こうした報道に対するドルの反応はだんだん鈍くなってきている。対中追加関税を撤廃するなど中味のあるものが出てこない限り、108円台でどんどん上値を伸ばすのは難しいだろう」(外為アナリスト)との意見が出ていた。

前日、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和を受けて激しく上下したユーロ/円は119円後半で狭いレンジ内の動きに終始した。

市場は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀決定会合に関心を注いでいる。

ロイター調査によると、米連邦準備理事会(FRB)は17─18日に開くFOMCで、政策金利を25ベーシスポイント引き下げるとの予想がコンセンサスとなった。調査はエコノミスト120人を対象に9日から12日の欧州中央銀行(ECB)理事会の決定が発表される前までに行われた。[nL3N2640AV]

日本の金融政策に関するロイター調査によると、日銀の次の緩和時期は来週18―19日と10月30―31日にほぼ2分された。調査期間は9月2日―11日。

緩和手段としては、フォワードガイダンスの文言修正と長期金利の許容変動幅の拡大を見込む向きが多かったほか、マイナス金利の深掘り予想が増加した。

市場では、「足元では円安、株高の流れなので、この流れが変わらない限り、来週は追加緩和はしないのではないか」(外為アナリスト)との見方がでている。

ただ、前日、ECBが金融緩和のパッケージを決定し、FRBの追加利下げも見込まれる中、「日銀だけ動かなければ円高的な流れになるリスクがあり、総裁は記者会見などで緩和的な姿勢を示す必要がある」(国内銀)との指摘も聞かれた。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 108.10/12 1.1069/73 119.68/72

午前9時現在 108.17/19 1.1054/58 119.60/64

NY午後5時 108.09/12 1.1061/65 119.59/63

(為替マーケットチーム)