[東京 12日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の108円付近。欧州中央銀行(ECB)理事会を控えユーロの膠着感が強まる中、米長期金利の上昇を受けてドルは一時6週間ぶり高値をつけた。

朝方の取引では、トランプ米大統領が中国製品に対する関税の引き上げを10月1日から10月15日に延期すると発表したことが伝わり、ドルは108.05円まで上昇した。その後は仲値を挟んで一進一退となったが、米長期金利が5週間ぶりの高水準をつけたことを受け一時108.17円と8月1日以来6週間ぶり高値をつけた。ただ、終盤にかけて米長期金利が反落したため、ドルは伸び悩んだ。

米10年国債利回り<US10YT=RR>は1.7730%まで上昇し、8月8日以来5週間ぶりの高水準となった。米長期金利上昇がドル買い/円売りオーダーをトリガーするAI(人工知能)の動きが、このところの米長期金利の反発とドル高/円安の背景にあるとみられている。

ただ、米長期金利の上昇は9月期末をにらんだ投機筋や投資家の利益確定売りを反映している可能性が大きく、それらが一巡すれば、反落する公算が大きい。

黒田東彦日銀総裁は12日昼、首相官邸で安倍首相と会談した。会談後、黒田総裁は定例の意見交換であり、消費税やマイナス金利などの話はなかったと語った。この会談について、市場の反応は限定的だった。

ECB理事会を控えたユーロは膠着気味だった。午後3時までの取引レンジは1.1008─1.1015ドル。きょうは1.1000ドル付近をストライクとする20億ドル近いオプションが権利行使期限を迎えるため、関連売買で値が振れづらくなった面もあるという。

ECBは12日の理事会で、不振にあえぐユーロ圏の景気をてこ入れするために新たな金融緩和パッケージを打ち出す見通しだ。ただ具体的な中身がどうなるかは不透明で、市場予想に届かない内容ならば金利上昇につながりかねない。

緩和パッケージの内容として、マイナス0.4%の中銀預金金利をさらに10―20ベーシスポイン引き下げることはほぼ確実視されている。

量的緩和(QE)の再開については、理事会メンバーの中で意見が分かれており、QEは真の危機の到来まで温存しておくべきとの意見も聞かれる。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 108.00/02 1.1011/15 118.95/99

午前9時現在 108.00/02 1.1012/16 118.96/00

NY午後5時 107.81/84 1.1009/11 118.71/75

(為替マーケットチーム)