[東京 11日 ロイター] - 茂木敏充外相は11日夜、官邸での就任会見で、これまで経済再生相として担当してきた日米通商交渉を引き続き担当し、「日米双方ウィンウィンとなる協定に仕上げていきたい」と述べた。

<対韓国、国際法違反の是正を要請>

日ロ関係を巡っては、ラブロフ外相と早期に会談したいと強調した。対北朝鮮では、日朝平壌宣言に基づき、拉致・核・ミサイル問題を解決し不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す姿勢を改めて示した。

日韓関係に関しても「対北朝鮮問題への対応などを巡り、日米韓の緊密な連携が今こそ必要」としつつ、韓国側による元徴用工の問題を巡り「国際法違反の状態の是正を要請していく」と強調した。

外務省内で行われた就任会見では、外務副大臣であった2002年当時と比べ、中国の台頭を念頭に「日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、国際情勢は様変わり」と指摘。「国際社会のパワーバランスの変化、複雑化、既存の秩序を巡る不確実性が高まっている」と述べ、中国の台頭を踏まえたアジア情勢の変動に対応する姿勢を強調した。

<日本はイスラエルによる入植凍結呼びかけている>

イランに関し「日本は伝統的なイランとの友好関係を強化している」とした。中東では「中東諸国との友好関係と日米同盟を生かし、平和に貢献していく」と述べた。

イスラエルのネタニヤフ首相によるヨルダン川西岸地域の一部併合を巡る発言に対して所見を求められ、「選挙期間中の発言にひとつひとつコメントするのは控えたい」と回答した。同時に「日本はイスラエル・パレスチナ当事者間の解決を支持し、(イスラエルによる)入植の凍結を呼びかけている」と強調した。

(竹本能文 編集:内田慎一)