[メルボルン 29日 ロイター] - 豪州のレアアース(希土類)大手ライナス<LYC.AX>が発表した通期決算(7─6月)は50%の増益となった。生産が記録的な水準に達した。

純利益は8000万豪ドル(5400万米ドル)。前年は5310万豪ドルだった。

ライナスは、中国外のレアアース生産で世界最大手。レアアースを巡っては、貿易問題で米国と対立する中国が輸出規制に動くのではないかとの懸念が浮上している。

ライナスはマレーシアにレアアース加工工場を保有。ヘビーレアアース(重希土類)を処理する2つ目の工場を米テキサスに建設する計画を進めているが、同社は最終決定したわけではないとしている。

会見したアマンダ・ラカーズ最高経営責任者(CEO)は、中国への依存度を減らしたい米政府から助成金を受け取ることに前向きだが、建設地の最終決定は戦略的な観点に基づいて決めると述べた。

重希土類の処理工場を建設すれば、磁石に利用されるネオジム・プラセオジム(NdPr)のほかに、様々な希土類を生産できる。

同CEOは、西オーストラリア州に新設する処理工場の建設地を「近く」明らかにする方針も示した。

通期のNdPr生産は5898トンで、前年の5444トンから増加。レアアース酸化物の生産は1万9737トンで、前年の1万7753トンから増加した。