[ニューヨーク 28日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが小幅高。全般的に狭いレンジでの取引に終始した。長短金利の逆転(逆イールド)はこの日も進行するなど、景気後退(リセッション)ヘの懸念が根強かった。

米2年債と10年債の利回り格差<US2US10=RR>は一時マイナス6.5ベーシスポイント(bp)までマイナス幅が拡大。その後はマイナス3.7bpで推移した。

米通商代表部(USTR)は28日、トランプ大統領が提示した総額3000億ドルの中国製品に対する関税率を5%引き上げ、15%とする案を承認した。

安全資産とみられる円は対ドル<JPY=>で0.32%安の106.07円。週明けには104.44円と2年半ぶりの高値を付けていた。市場では、このところのドル売り・円買いはリスク回避の流れから来ているが、この日ドルが持ち直してもリスクオンの取引には慎重といった声が聞かれた。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.25%高の98.248。オフショア人民元<CNH=> <CNH=D3>は7.169元にやや下げ、週明けに付けた最安値の7.186元に迫った。

ポンドは対ドル<GBP=> <GBP=D3>や対ユーロ<EURGBP=> <EURGBP=D3>で一時1%安。ジョンソン英首相は28日、10月中旬まで議会を休会とする方針を表明した。10月末の欧州連合(EU)離脱期限までの議会の審議時間を大幅に短縮し、合意なき離脱阻止に向けた議会の動きを封じ込める考えとみられる。[nL3N25O3D8]

ユーロ/ドル<EUR=>は0.12%安の1.1077ドル。イタリア与党左派の「五つ星運動」と野党中道左派の民主党(PD)は28日、連立政権の樹立に向け合意に達した。五つ星のディマイオ党首と民主党のジンガレッティ書記長(党首)がコンテ首相の続投で一致した。これにより懸念されていた総選挙の前倒しはひとまず回避される見通しとなった。ただユーロの反応は限定的だった。