[東京 26日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、23日のニューヨーク市場午後5時時点に比べ、若干ドル安/円高の105円前半。米中貿易摩擦の激化を背景に、米長期金利が3年超ぶり低水準まで落ち込み、人民元が11年半ぶりの安値をつけた。ドルはいったん105円を割り込んだが、実需筋の買いで持ち直した。

早朝の取引では、トルコリラをはじめクロス円で円高が進んだことを背景に、ドルも104.46円まで下落し、1月3日以来の安値をつけた。売り一巡後は「久しぶりの104円台ということで、輸入企業など実需のドル買いが出たもようだ」(アナリスト)という。

中国人民銀行が対ドル基準値を1ドル=7.0570元と、23日に比べわずかに人民元高水準に設定したことも好感され、ドルは105.79円まで反発した。しかし、午後に入って米長期金利の低下が進むとドルは105円前半に反落した。

国内市場の人民元<CNY=CFXS>は一時1ドル=7.15元まで下落し、2008年2月以来、11年半ぶりの元安となった。「対中関税発動を織り込んだ人民元売りが続いている」(証券会社)という。

中国商務省は23日、米国から輸入する約750億ドル相当の製品に5─10%の追加関税を課すと発表した。

米政権は同日、対中制裁関税第1―3弾の税率を25%から30%に、第4弾の税率を当初予定の10%から15%にそれぞれ引き上げると発表した。

FXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は「来年の大統領選挙で再選を目指すトランプ氏は、対外交渉において常に「仮想敵国」を作り「強いアメリカ」をアピールすることが必要だと考えているようだ。そうすれば、国民の興味を自分に引き寄せ、支持率が維持されると思っているのだろう」と語った。

今回は、日本との貿易交渉がまとまりそうなので、中国に対して強く出た可能性がある(同)という。

ただ、日本にとっては、日米通商協議が進捗しても、米中摩擦でグローバルなリスクオフが広がれば、円高圧力が払拭できないことになる。また、金融政策面については、日銀ののりしろ(緩和余地)が乏しいこともあり、円高の制御は難しいと同氏はみている。

米10年国債利回り<US10YT=RR>は一時1.4426%付近(ビッドサイド)まで低下し、2016年7月以来3年超ぶりの低水準まで落込んだ。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 105.23/25 1.1142/46 117.27/31

午前9時現在 104.84/86 1.1141/45 116.82/86

NY午後5時 105.39/42 1.1144/45 117.46/50

(為替マーケットチーム)