[北京 26日 ロイター] - 中国国営メディアは26日、トランプ米大統領が中国に対する新たな関税引き上げを発表し、米企業に中国の「代替先」を模索するよう命じたことを痛烈に批判した。

中国が23日、750億ドル相当の米国製品に対する追加報復関税を発表したことを受け、トランプ大統領は同日、総額約5500億ドルの中国製品に対する関税引き上げを表明した。米企業に対し中国からの事業撤退も要求したが、25日の発言では現時点で撤退命令を実行に移さない構えを示唆した。

中国政府系の英字紙チャイナ・デーリーは社説で、米政府が「中国の運命をコントロールすることは決して許さない」と強調した。

また「トランプ政権の対中関税戦争が政治的動機によるものだということが疑いなく明確になった。米政府が最大の貿易相手国に求めているのは、二番手で満足して米国の要求に従順に従え、ということだ」と非難した。

さらに「米国は中国が早期に負けを認めることを期待して、またしても対立を激化させる措置をとった。しかし中国は貿易戦争を不可避の厳しい試練と捉え、そこからより強くなると考えている」と指摘した。

中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、中国市場からの撤退は米企業、特に自動車メーカーにとって「自殺行為」だと論じた。

同紙は社説で「米企業が中国で投資や事業運営を行うのは歓迎するが、トランプ氏の命令に従い米政府の貿易戦争に加わる企業は厳しい結果に直面する。中国市場を放棄するのはまさに自殺だ」と警告した。