[東京 23日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比44円85銭高の2万0672円86銭となり、続伸した。寄り付きは安く始まったが、押し目買いが入ってプラス転換。ドル/円が朝方からやや円安に振れたことや、米株先物がプラス圏で推移したことなどを眺めて上値を伸ばした。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を前に様子見ムードも強く、材料のある個別銘柄が物色された。

TOPIXは0.20%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は7804億円。東証33業種では鉄鋼、パルプ・紙、証券などが値上がり率上位に並んだ。半面、精密機器、鉱業、情報・通信などが軟調だった。

市場では「このところ東京市場は薄商いが続いているが、出遅れ銘柄や割安銘柄に少しずつ買いが入ってきた。きょうはトヨタ自動車<7203.T>の車用特殊鋼値上げの話が鉄鋼株の上昇につながっている」(岩井コスモ証券の投資情報センター長、林卓郎氏)との声が出ていた。

個別銘柄では防衛関連の上昇が目立った。韓国が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたことで、地政学リスクの高まりを意識した思惑的な買いが入った。石川製作所<6208.T>、豊和工業<6203.T>のほか、ジャスダック市場の細谷火工<4274.T>などに朝方から買いが先行した。

東証1部の騰落数は、値上がりが1077銘柄に対し、値下がりが938銘柄、変わらずが133銘柄だった。