[デューベンドルフ(スイス) 22日 ロイター] - フランス保険大手アクサは、電気自動車(EV)版の高級車やスポーツタイプ多目的車(SUV)が、エンジン搭載車に比べて事故発生率が40%高まる可能性があるとの分析結果を公表した。利用者がEVの素早い加速にまだ慣れていないことが原因かもしれないという。

アクサは7年間の走行実績がある自動車1000台に関する損害賠償責任保険の請求データに基づき事故発生率を推計。これによると、小型のEVはエンジン車に比べて事故発生率が若干低いことも示された。

一方、全体ではEVの事故発生率はエンジン車とほぼ変わらなかった。

アクサのスイス法人の事故調査・予防部門責任者、ベッティーナ・ザーンド氏は高級車とSUVではEV版がエンジン車より事故発生率が高いとの分析結果について、加速性能との因果関係を議論すべきだと指摘。

アクサが今年実施した調査では、EV利用者の半数が、EVの加速およびブレーキ性能を考慮して運転の仕方を調節する必要があったと回答している。

ザーンド氏は「EVではすぐに最高加速度に到達するが、内燃エンジンは馬力が強くても最高加速度に達するのにしばらくかかる。運転手には対応が求められている」と述べた。