[ジャカルタ 22日 ロイター] - インドネシア中央銀行は22日、市場予想に反してこの2カ月で2度目となる政策金利引き下げを決めた。世界経済の減速を見込み、機先を制して行動するとした。中銀は7日物リバースレポ金利<IDCBRR=ECI>を25ベーシスポイント(bp)引き下げ5.5%とした。ロイター調査ではエコノミスト19人のうち利下げを予想していたのは2人にとどまり、その他17人は据え置きを予想していた。

中銀のペリー・ワルジヨ総裁は、政策会合後に記者団に対して「経済成長の勢いは継続しているが、世界的な景気鈍化のリスクを踏まえ、先手を打つ必要があると判断した」と説明した。

中銀は先月にも25bpの利下げを決定したばかり。利下げは2017年9月以来だった。

この際、市場関係者の中には、2018年に実施した175ベーシスポイント(bp)の利上げを巻き戻す緩和サイクルの始まりとみる向きもあった。しかし今月前半に世界の市場が動揺したことを受けて、多くのエコノミストは、22日には政策金利が据え置かれ、利下げはその後になると予想していた。

きょうの発表後、一部のエコノミストの間では、目先の追加利下げの可能性が低下したのではないか、との見方が浮上している。

ペルマタ銀行のエコノミスト、ジョシュア・パルデデ氏は、中銀の声明文に追加緩和への言及がなかったことを指摘、利下げ可能性が「今年末までは限定的」であることを示唆していると語った。

総裁は、追加緩和について問われると、銀行融資の促進に向けて貸し出しや流動性に関する規制を見直すことなどを含む、「緩和的な政策ミックス」を推し進めると述べた。

総裁はまた、同中銀の基本的なシナリオとして、米連邦準備理事会(FRB)が年内は追加利下げを行わないとみていると語った。