[ロンドン 21日 ロイター] - 英韓両政府は、英国が10月末に欧州連合(EU)を離脱した後も現行のEU・韓の自由貿易協定(FTA)とほぼ同じ貿易条件を維持するFTA継続協定に22日に署名する見通し。英政府が発表した。

英政府はEU離脱後を見据え、EU域外の諸国と現行の貿易協定の条件を維持するための取り組みを進めてきたが、今年前半にEU離脱が延期され、離脱がいつ実現するかが不透明となったことから多数の諸国との協議は行き詰まった。

7月に就任したジョンソン英首相はEUとの合意の有無にかかわらず10月31日にEU離脱を果たすと公約している。英政府によると、現行の貿易条件を維持するために諸外国とこれまで結んだ「継続協定」は貿易額にして890億ポンドに上っており、当初のEU離脱期限だった3月時点の390億ポンドから増加した。

英政府によると、韓国との継続協定は英国がEUを離脱し、EU・韓FTAの対象国ではなくなった時点で発効する見通し。

英韓両国の貿易額は昨年、146億ポンドに上った。

韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長は、継続協定によって英のEU離脱を巡る不透明感が大方は払拭されるとの見方を示した。

「われわれはこの困難な状況で先回りして対応を取った。この結果、このFTAは自由で開かれた、ルールに基づいた貿易をわれわれが一致して強力に支持するというメッセージを世界に送っている」とした。