[ブエノスアイレス 20日 ロイター] - アルゼンチンのラクンサ新財務相が20日就任し、このところ急落している通貨ペソの安定が最優先課題という認識を示した。ただペソ<ARS=> <ARS=RASL>はこの日も1%値下がりするなど軟調地合いが続いた。

ペソは先週18%下落。11日の大統領選予備選挙で市場経済や財政規律を重視する現職のマクリ氏が、野党の中道左派候補のフェルナンデス元首相に15ポイントもの大差で敗れる中、フェルナンデス氏が10月の本選で勝利すれば、市場経済に向けた改革が進まなくなり、保護主義的な経済政策に逆戻りするとの懸念が高まり、ペソ売りにつながった。

中銀調査によると、アルゼンチン経済は今年1.5%落ち込むとみられている。

ラクンサ氏は「わが国は微妙な時期を迎えている」とした上で、次の大統領が誰になろうと「堅固な経済基盤が必要だ」と強調。その上で基礎的財政収支(プライマリーバランス)は7月に続き8月も黒字になるとの見通しを示した。

フェルナンデス氏は18日付のインタビュー記事で、債務返済に関して国際通貨基金(IMF)と再交渉する必要があるとの考えを示したが、ラクンサ氏はIMFと合意した今年の財政目標を堅持すると表明した。