[ワシントン 14日 ロイター] - トランプ米大統領は14日、中国は通商合意を望んでいるが、まずは香港を「人道的に」扱うべきとの考えを示し、通商合意と香港で続くデモの平和的な解決とを明確に関連付けた。

トランプ大統領は「もちろん中国は合意を望んでいる。まず香港問題で人道的対応を!」とツイッターに投稿した。「習(近平)国家主席が香港の問題を迅速かつ人道的に解決する意思があるならば、それが可能であることを私は全く疑っていない」とした。

さらに「個人的に会談?」と付け加え、習主席と香港情勢を巡り会談する可能性をほのめかした。

トランプ氏はまた、米国が1500億ドル超の中国製品に対する関税発動を9月1日から12月15日に延期したことについて、中国による「相互的」な措置につながるとし、「12月への短期間の延期で、かなり良いことが起きる」と指摘した。

米政府高官はこの日これより先、関税発動の延期を受けた中国の譲歩姿勢は見られていないと述べており、トランプ氏の発言と矛盾している。

香港情勢に関して米国務省報道官はこの日、中国政府が中国本土と香港との境界沿いに軍部隊を移動させているとの情報があることについて、米国は深く懸念していると述べた。また、香港の自治が損なわれ続ければ、米国の法律の下での香港の特別な地位が危うくなると警告した。

米政府高官は、中国政府は「香港の近くや、少し離れた地域」に多数の人民武装警察部隊を配置させていると指摘。ただ、香港との境界に向かう兆候はないという。

配置された部隊の人数は「数千人」に上り、香港のデモ隊を威嚇する狙いがあるようだと語った。一方で、香港のデモは中国政府が実際に部隊派遣を決める「転換点には達していない」との見方を示した。

中国政府系の環球時報は12日、中国人民武装警察部隊が、香港に近い深センで訓練のため集結していると伝えていた。

中国政府による介入への懸念が高まるなか、米議会では共和、民主両党の有力議員らがトランプ大統領に対し、香港情勢を巡り中国にもっと厳しい姿勢で臨むよう要求してきた。

これに関してボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は米政府系メディアの「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」に対し、「米議会には一触即発のムードが漂っており、中国政府が対応を誤れば、議会は怒りを爆発させるだろう」と述べた。

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