[ベルリン 7日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した6月の鉱工業生産指数は、前月比1.5%低下した。中間財と資本財の生産が減少した。市場予想は0.4%低下だった。5月の鉱工業生産指数は、当初発表の0.3%上昇から0.1%上昇に下方改訂された。

第2・四半期のドイツ経済は、マイナス成長となった可能性がある。

Bankhaus LampeのAlexander Krueger氏は「生産の急減が続いていることは恐ろしい」と指摘。米中貿易摩擦の激化により、製造業の不況が続く公算が大きいとの見方を示した。「この状況が長く続くほど他のセクターに影響が波及する恐れが強まる。ドイツの経済成長率予測は一段と下方修正される可能性が高い」と述べた。

経済省によると、第2・四半期の鉱工業生産指数は前期比1.8%低下。金属、機械、自動車の生産が急減した。

同省は「工業部門は引き続き下降局面にある」との判断を示した。第2・四半期は建設が1.1%、エネルギーが5.9%のマイナスとなった。

ドイツ政府は、今年の経済成長率を0.5%と予測。来年については1.5%と予測している。

コメルツ銀行のエコノミスト、ラルフ・ソルビーン氏は鉱工業生産について「第2・四半期の独実質国内総生産(GDP)が小幅なマイナスになったとのわれわれの見方を裏付けるものだ」と指摘。「きのうの鉱工業受注は伸びたが、生産の弱い基調は数カ月続く可能性が高い。製造業は引き続き独経済の弱い部分だ」との見方を示した。

デカバンクのアンドレアス・ショエル氏は鉱工業部門の指標は第2・四半期のGDPが0.2%のマイナス成長になったことを示しているとし、「これはテクニカルなリセッション(景気後退)の前触れだ」と語った。

独連邦統計庁は14日に第2・四半期のGDP速報値を公表する。

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