[ワシントン 5日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)は5日、トランプ米政権が欧州連合(EU)への発動を検討している報復関税に関して公聴会を開いた。参加した国内の金属取引企業からは、銅を関税対象に加えれば、ドイツ資本の企業がサプライヤーとして有利な立場になり、米国企業が打撃を受ける恐れがあるとして、対象品目から銅を外すよう求めた。

USTRは7月に、航空機大手エアバス<AIR.PA>にEUが出す補助金が不当だとし、最大100%の関税を課す品目の追加リストを公表した。

公聴会では、銅が関税対象となれば、自動車、エネルギー、通信といった業界で原材料コストが上昇し、人員削減につながると懸念する声が上がった。

さらに、先月、米グローバルブラス・アンド・カッパー・ホールディングス<BRSS.MX>の買収を完了したドイツのヴィーラント・ヴェルケ・AGがサプライヤーとして優位な立場になるとの指摘もあった。

世界的な銅価格の下落を受けて米国企業は一部の銅合金の生産を数年前から停止している。公聴会に参加した企業は、ヴィーラントは銅合金を米国内で生産することを提案しているが、利益は最終的には欧州に流れると指摘した。

イーグル・メタルズチャールス・バーナード社長は「関税が発動されれば、米資本のサプライヤーの犠牲の下にドイツ資本の企業の独占が生まれる」と証言した。