[東京 5日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>が5日発表した2019年4―6月期連結決算(国際会計基準)では、営業利益が前年同期比48.4%増だった。主力の米国市場を中心に販売が好調で、インセンティブ(販売奨励金)抑制などが寄与した。ただ、今後は為替など不透明な要素が多く、20年3月期通期の業績予想は従来のまま据え置いた。

4―6月期の営業利益は922億円で、リフィニティブが集計したアナリスト8人の予測平均値656億円を上回った。

4―6月期の売上高は16%増の8334億円、純利益は40%増の665億円となった。世界販売は8.8%増の26万3000台だった。このうち米国は「アセント」や「フォレスター」の販売が好調で、19.6%増の17万9300台だった。

岡田稔明・専務執行役員は会見で4―6月期の業績について「米国販売は非常に堅調に推移した」と説明。インセンティブも抑制できており、米中貿易摩擦の影響は出ていないと述べた。研究開発費計上の後ずれや品質関連費用が少なかったことも追い風で、原材料価格が想定よりは良かったこともプラスだったと指摘した。

また「車を売る力に限定すれば、非常に順調だった」とする一方、今後の為替動向や原材料価格など費用面が不確定で、先行き不透明な「変数があまりにも多い」と指摘。「車の売れ行きがいいからといって(通期予想を)修正するのは確証が持てない」として、通期予想を据え置いたと語った。

通期の営業利益は前期比43.1%増の2600億円を見込む。リフィニティブが集計したアナリスト20人の予測平均値2894億円を下回っている。

通期の売上高予想は4.9%増の3兆3100億円、純利益予想は48.5%増の2100億円。

為替動向を読むのは難しい上、不確定要因が多く、4―6月期で変更するのは時期尚早などとして、通期の前提為替レートは期初通り1ドル=110円のままとした。SUBARUの場合、米ドルで1円変動すると営業利益が約100億円動くという。

*詳細を追加します。

(白木真紀 編集:田中志保)