[ソウル 29日 ロイター] - 大韓航空<003490.KS>は29日、日本との外交関係悪化に伴い需要が減少しているため、釜山─札幌線の運航を9月3日から停止すると発表した。

日本が韓国向け半導体材料の輸出規制強化を発動したことを受けて、韓国では日本の製品やサービスのボイコットが広がっている。大韓航空や観光業界は、これ以前から競争激化や日本への旅行者減少に見舞われており、最近の日韓関係の悪化がさらなる打撃となっている。

日本政府観光局(JNTO)のデータによると、韓国から日本への旅行者数は、過去5年間で3倍に増加。日本への旅行客数で韓国は中国に次ぐ2位であり、全体の24.2%を占めている。しかし、1─5月期には訪日韓国人旅行者数は減少した。

大韓航空系列の格安航空会社(LCC)、ジンエアー<272450.KS>の広報担当は「反日ムードが続き、予約率に影響が出るようであれば、日本路線を調整する可能性も排除できない」と述べた。

大韓航空の広報担当によると、同航空は輸出規制問題が生じる以前より見られる競争激化や需要減を理由に、収益性の低い日本路線を8月半ばから減便することを検討している。広報担当は、計画はまだ最終的には決まっていない、としている。

業界関係者によると、韓国のLCCのティーウェイ航空<091810.KS>とイースター航空も、9月から日本便の一部を一時的に停止する見通し。アシアナ航空<020560.KS>とチェジュ航空<089590.KS>の担当者はロイターに対して、現時点では日本便を停止する予定はないが、「状況を注視している」と語った。

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