[ブリュッセル 23日 ロイター] - 欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は23日、トランプ米政権が欧州の自動車に対する関税措置を導入した場合、EUは報復として総額350億ユーロ(391億ドル)の米製品に追加関税を課すと明らかにした。

マルムストローム氏は欧州議会委員会で「EUは管理された貿易も、割当制も、自主的な輸出制限も受け入れない。(米国が)関税措置を導入すれば、EUは報復する」とし、すでに350億ユーロの対抗措置を準備したと表明。「これを使わずに済むことを望んでいる」と述べた。

トランプ米大統領は5月、輸入自動車や部品に対する関税の判断を最大6カ月間、11月半ばまで延期すると発表。交渉相手の日本や欧州連合(EU)に猶予を与えた。

マルムストローム氏はトランプ氏の判断を歓迎するとしながらも「欧州の自動車が安全保障上の脅威になるとの考えはおかしい」と指摘。「われわれはまだ交渉を始めていない。米国は農業分野が議題に含まれない限り交渉はしないと言っているし、われわれにとってそれは越えられない一線だ」と述べ、双方の隔たりが依然大きいことを示した。

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