[22日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルとユーロがほぼ変わらず。米欧中銀の政策決定会合待ちとなっている。

欧州中央銀行(ECB)は今週25日に理事会を開催する。金利市場によると、ECBが中銀預金金利を10ベーシスポイント(bp)引き下げマイナス0.50%とする確率は46%。

欧州の金利がマイナス圏で一段と低下する可能性が高まっていることがユーロ/ドルに圧力をかけている。スイスフランは対ユーロで2年ぶりの高値に浮上した。

一方、ドルは米連邦準備理事会(FRB)が10年ぶりの利下げを実施するとの観測が重し。前週末の米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ドルの主要10通貨に対する投機筋の買い越し額が減少し、1年ぶりの低水準となった。

米国時間終盤の取引で、ユーロ/ドル<EUR=EBS>は横ばいの1.1212ドル。この日の安値1.1207ドルから切り返した。

CMEグループのフェドウオッチによると、FRBが30─31日の連邦公開市場委員会(FOMC)で50bpの利下げを決定する確率は23%。前週末は24%だった。

円は小動き。ドル/円<JPY=EBS>は107.88円、ユーロ/円<EURJPY=EBS>は120.95円だった。黒田東彦日銀総裁は22日、米ワシントンで行われたIMF(国際通貨基金)主催のイベントで講演し、最近の世界経済を巡る不確実性の高まりや、国際金融市場の神経質な動きが、日本の経済・物価に与える影響を十分に注視していく必要があると語った。[nL4N24N3D6]

スイスフランは対ユーロ<EURCHF=EBS>で1.0999フランと、2017年7月以来の高値を付けた。

<債券> 米債利回りが低下。中銀の緩和政策期待が国債需要を支援した。ただ手掛かり材料に欠け、市場の方向感は乏しかった。

ECBが25日の理事会で緩和政策を示唆するとみられているほか、FRBも30─31日のFOMCで利下げを実施すると予想されている。

指標10年債利回り<US10YT=RR>は2.04%と前週末終盤の2.05%から低下。

2年債と10年債の利回り差<US2US10=TWEB>も前週末の24bpから23bpに縮小した。

関係筋はこの日、米政府と議会が財務省の借り入れ権限を2021年7月31日まで延長する方向で合意に近づいていると明らかにした。[nL4N24N3I7]

米下院のペロシ議長とムニューシン財務長官は、議会が夏季休会入りする前の合意に向け協議を進めている。合意が得られなければ、議会が再開する9月9日より前に債務上限に達する可能性がある。

今週は23日に2年債(400億ドル)、24日に5年債(410億ドル)、25日に7年債(320億ドル)の入札が予定されている。

<株式> 上昇して終了した。利下げ観測の高まりが株価の下支えになっているほか、フェイスブック<FB.O>やグーグルの持ち株会社アルファベット<GOOGL.O>、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>などが週内に発表する決算に期待が集まっている。

交流サイトのフェイスブックは2%高。ネット通販のアマゾンや情報技術(IT)企業のアルファベットも1%弱値上がりした。フェイスブックは24日、アマゾンとアルファベットは25日に四半期決算を発表する。[nL4N24N3MK]

S&P情報技術株指数<.SPLRCT>は1.2%高。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)<.SOX>は約2%高。カドロー米国家経済会議(NEC)委員長が中国の通信大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]に対する米国の制裁を巡り、22日に米半導体およびソフトウェア大手の幹部と会談すると報じられたことが材料となった[nL4N24M00Z]。

アップル<AAPL.O>は2.3%高。モルガンスタンレーは目標株価を従来の231ドルから247ドルに引き上げた。

航空機のボーイング<BA.N>は1%安。格付け会社フィッチが同社の格付け見通しを従来の「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。運航停止となっている737MAX型機を巡って規制上の不透明感が根強く、運航停止が年末休暇時期まで延びた場合、運転資金の補填が必要になると指摘した。[nL4N24N3C0]

油田サービスのハリバートン<HAL.N>は9.1%急騰。第2・四半期(6月30日まで)の利益がアナリスト予想を上回った。北米の低迷を海外需要の増加が補った。[nL4N24N3EY]

<金先物> 新規の手掛かり材料不足の中、ほぼ横ばい。中心限月8月物の清算値 は前週末比0.20ドル(0.01%)高の1オンス=1426.90ドル。主要な米経済指標の発表がなく手掛かり材料に乏しい中、相場はおおむね前週末清算値付近での小幅な値動きにとどまった。市場の注目は30、31両日のFOMCに集まっている。今回の会合では25bpの利下げがほぼ確実視されているが、FOMC終了後に発表される声明やパウエルFRB議長の記者会見から、今後の金融政策に関する手掛かりを得たいとの思惑が広がっている。一方、イランをめぐる地政学的リスクの高まりは引き続き安全資産とされる金相場を下支えしたもようだ。

<米原油先物> イランと米欧諸国との対立激化を懸念した買いに支えられ、続伸。この日納会を迎えた米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は、前週末比0.59ドル(1.06%)高の1バレル=56.22ドル。9月物は0.46ドル高の56.22ドルだった。

イラン精鋭部隊「革命防衛隊」は19日、ホルムズ海峡を航行していた英船籍タンカーを拿捕(だほ)。4日には英領ジブラルタル沖でイランのタンカーが拿捕されており、これに対する報復とみられている。英政府はイランへの経済制裁を検討中と報じられたほか、この日はイランが新たに米中央情報局(CIA)のスパイ容疑で17人を逮捕したことを明らかにするなど、週末から週明けにかけて中東の地政学的リスクの高まりを伝える材料が相次いだ。

中東原油輸送の要衝であるホルムズ海峡が封鎖される可能性を警戒し、この日の相場はおおむね堅調に推移。未明の時間帯には一時56.84ドルの高値を付けた。ただ、19日に稼働を停止していたリビア最大のシャララ油田が22日に生産を再開したとする国営石油会社(NOC)の声明などで一段の買いが阻まれ、朝方から午後にかけては56ドル前後のレンジでやや上値の重い展開となった。

ドル/円 NY終値 107.86/107.89 <JPY21H=>

始値 107.87 <JPY=>

高値 107.99

安値 107.78

ユーロ/ドル NY終値 1.1208/1.1212 <EUR21H=>

始値 1.1221 <EUR=>

高値 1.1225

安値 1.1207

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 106*08.50 2.5726% <US30YT=RR>

前営業日終値 106*04.50 2.5780%

10年債(指標銘柄) 17時05分 102*28.00 2.0499% <US10YT=RR>

前営業日終値 102*28.00 2.0500%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*23.75 1.8047% <US5YT=RR>

前営業日終値 99*23.50 1.8060%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.38 1.8165% <US2YT=RR>

前営業日終値 99*20.38 1.8160%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 27171.90 +17.70 +0.07 <.DJI>

前営業日終値 27154.20

ナスダック総合 8204.14 +57.65 +0.71 <.IXIC>

前営業日終値 8146.49

S&P総合500種 2985.03 +8.42 +0.28 <.SPX>

前営業日終値 2976.61

COMEX金 8月限 1426.9 +0.2 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 1426.7

COMEX銀 9月限 1641.1 +21.6 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 1619.5

北海ブレント 9月限 63.26 +0.79 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 62.47

米WTI先物 9月限 56.22 +0.46 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 55.76

CRB商品指数 178.5500 ‐0.0354 <.TRCCRB>

前営業日終値 178.5854

(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)