[仏シャンティイ/東京 17日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は17日、金融政策運営を巡って「仮に物価安定目標に向けてのモメンタムが損なわれるなら、迅速に追加緩和を検討する」と述べた。フェイスブック<FB.O>の仮想通貨「リブラ」が将来的に広く流通することを視野に、各国が協調して対処すべきとの考えも示した。

主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に先立ち、現地で記者団に語った。

世界経済の現状について、黒田総裁は「緩やかに成長しているとの見方は変わらない」と述べた。米中貿易摩擦や緊迫するイラン情勢などのリスクを踏まえても「全体の流れは変わっていない」との認識を示した。

日本経済に関しても、輸出や生産の弱さを指摘する一方で「緩やかに成長している」との見方を堅持した。物価2%目標へのモメンタムが維持できなければ、追加緩和を検討する選択肢も併せて示した。

リブラなど仮想通貨の規制に対しては「各国が協調して必要な対応を検討していくことになる」との考えを述べた。

不正取引や独占を防ぐには「国際的に必要な規制を考える必要がある」とし、G7各国中銀にとどまらず、「金融当局や財務当局も含めて検討されていくことになる」との見通しを示した。

(木原麗花 編集:山口貴也)