[ストックホルム 12日 ロイター] - スウェーデン中銀は12日、直近に開いた金利決定会合の議事要旨を公表した。世界経済や欧州中央銀行(ECB)、米連邦準備理事会(FRB)の動向に引き続き警戒していたことが分かった。

世界経済や海外の金融政策シフトを巡って不透明感が高まり、今後のスウェーデン中銀の動きに影響が及ぶ可能性にメンバーらが言及した。

スウェーデン中銀は3日、政策金利のレポレートを全会一致でマイナス0.25%に据え置いた。世界経済にリスクがあるとの認識を示しつつ、今年末から来年初めにかけて利上げする計画も改めて示した。

議事要旨によると、イングベス総裁は「市場の見方が正しければ、主要中銀の金融政策がより拡張的な方向へ変わる可能性がある。こうなった場合にスウェーデンの金融政策にどのような意味合いがあるのかについて、今後の会合で姿勢を示す必要が出てくる」と述べた。

また議事要旨によると、「複数のメンバーが基調的なインフレ上昇持続の重要性も指摘した」。エネルギー価格の下落に伴い、向こう数カ月間国内インフレが低下する見通しで、メンバー数人がインフレ期待が「著しく抑制」されれば、目標の2%近辺に維持しにくくなるとの認識も示した。

国内行のSEBは調査メモで、議事要旨について「ややハト派サイド」と分析した。リスクが増大したほか、見通しが悪化し続ければ政策の再評価もあり得るという見方をメンバー全員が強調したと指摘し、年内の利上げはないという見方は変わらないとした。