[9日 ロイター] - 米IBM<IBM.N>は9日、ソフトウエア大手の米レッドハット<RHT.N>の買収を完了したと発表した。買収額は340億ドルで、同社の買収案件としては過去最大。レッドハット買収でクラウド事業の強化を狙う。

レッドハット買収は2018年10月に発表した。IBMは従来のハードウエア事業から、より成長率の高いクラウドやソフトウエア、サービス事業へと軸足を移しているが、必ずしも順調に進んでいない。

レッドハットは1993年創立。無償公開されている基本ソフト(OS)「リナックス」を専門に扱っている。レッドハットのジム・ホワイトハースト最高経営責任者(CEO)と経営陣は現職にとどまり、ノースカロライナ州ローリーにある本社も移転しない。IBM内で別部門として事業を展開し、人員やコストの削減は予定していない。

両社は今後、リナックスや「Kubernetes」など、オープンソースの技術をベースとした「次世代ハイブリッド・マルチクラウド・プラットフォーム」を提供すると説明した。

IBMのクラウド事業が売上高全体に占める割合は2013年以降6倍増え、25%に達した。2019年第1・四半期までの1年間のクラウド事業売上高は190億ドルを突破した。

レッドハッドは今後5年、売上高の年複利成長率に約2ポイント貢献する見通しという。