【秘話】「1枚ずつしか焼けない」高級トースターがバズる理由

2019/7/3
いったい誰が、こんな高い家電を買うんだ──
保温機能がない炊飯釜、グリル専用オーブンレンジ、大人のかき氷機……。近年、一見すると、決して使い勝手が良いとは言えない、単機能でありながら値段の高い調理家電が家電量販店をにぎわしている。
調理家電はここ数年、炊飯器を中心に高単価化が進み、思わず「桁が違うのでは?」と二度見してしまうような製品も増えている。
背景には、一つは中国など外国人観光客による「爆買い」の影響があったが、それだけではない。今や、バルミューダをはじめ、国内向けでも高級調理家電のヒット製品が生まれており、明らかに新たな市場として開拓されてきているのだ。
そして、その流れの先端を行く製品が今年4月に発売された。三菱電機の「ブレッドオーブン」だ。
パンを1枚ずつしか焼けない、約3万円の家電。どう考えてもコスパが釣り合わないように見えるが、発売から2カ月が経過した現在、初期ロットの出荷分は全て完売した。海外メディアにも取り上げられるなど、グローバルに話題となり始めている。
なぜ、ここまで単機能かつ高額な調理家電が売れるのか。三菱電機の開発者への取材を基に、検証してみた。
これは、トースターではない
「この製品はトースターを作ろうとして開発されたのではなく、『最もおいしくパンを食べるためのもの』という究極の理想を掲げ作られたモノなんです」