世界の金融市場、問題は貿易紛争だけにあらず
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注目のコメント
今後の中国の景気動向は貿易交渉よりはるかに多くの要因に左右される。世界各地の輸出業者が中国の需要不振の影響を受けている、などの指摘はその通り。貿易交渉とともに中国経済そのものの動向も注視が必要。日本企業も当然だが、今後の展開次第で大きな影響を受けることになる。そうなれば、企業倒産件数にも一定の影響が出てくるにちがいない。
ちなみに、景気減速に伴う中国国内への販売減少などを原因とする「チャイナリスク関連倒産」は2019年1~5月で37件判明しており、前年同期を上回るペースで推移している。足元の市場のボラティリティが米中摩擦に由来し、「停戦」が株価上昇に繋がっていることは確かだが、「債務サイクル」におけるデレバレッジの浮上についても忘れてはいけないという主旨。
論点があちこち飛ぶので分かりにくいが、ポイントはデレバレッジで、リーマンショックの時も、レバレッジからデレバレッジへの転換点の着眼で勝負が決まったという教訓。
債務サイクルは標準的には10年程度で、景気循環でいうジュグラーサイクルのイメージ。民間債務の各国の状況を定点観測すべしという点は腹に落ちる。デレバレッジ自体もそうですが、中国関連で言うと過去と比べて存在感が増している中国債券が未だ流動性が低いことも気になる点です。
流動性の低さは、何らかの理由によるfire sale(とにかく早く現金化するために叩き売ること)発生時に価格が大きく下落する要因となります。価格の下落は更なるfire saleを引き起こすため、資産価格の連鎖的下落を招いてしまいます。