[28日 ロイター] - 米カリフォルニア州オークランドの連邦地裁は28日、国防総省の麻薬対策関連予算25億ドルをメキシコ国境沿いの壁建設に転用する米政府の計画を差し止める判決を下した。

トランプ政権は壁建設費について議会の承認が得られないことから、2月に国家非常事態を宣言して既に割り当てられた予算の使途を変更する形で67億ドルの建設費を捻出。これに対し、カリフォルニアなどの州や団体による差し止め請求の訴訟が各地で起きている。

オークランドの連邦地裁のヘイウッド・ギリアム判事は判決文で、トランプ政権による麻薬対策向け国防総省予算の転用計画は違法との判断を示した。

判決は2件の訴訟に関するもので、1件は20の州を代表してカリフォルニア州が提起し、もう1件はアメリカ自由人権協会(ACLU)などが起こした。

カリフォルニア州のザビエル・ベセラ司法長官は声明で「トランプ大統領が正式に認められていない25億ドルの予算を自分が推進するプロジェクトのために不法に使うのを決定的に阻止する判決」だと評した。

米司法省の弁護団は裁判所に提出した資料で、第9巡回連邦控訴裁

に正式に控訴する考えを示した。

トランプ大統領は29日、大阪市での記者会見で「即座に控訴し、控訴審に勝つと見込んでいる」と述べた。