トランプ氏、金正恩氏をホワイトハウスに招待
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トランプ大統領は、対中国、対北朝鮮、対イランなど複雑なパワーバランスの中で極めて繊細な戦略を採り続けています。Twitterほかの発信の語気も緻密に計算されていることが明瞭で、ワンフレーズに翻弄されていては情勢を掴み損ねます。北朝鮮との融和路線を主体的にアピールすることでイランの囲い込みも強めていく、国際世論まで念頭に置いた大きなゲームメイキング。
トランプは初めてシンガポールで金正恩と会談したとき、同様の提案を行っている。しかし、金正恩は米国を訪問していない。たとえば二回目の米朝会談の開催候補地として、金正恩が幼少期を過ごしたスイスや、トランプの別荘が挙がったが、実務者協議の結果、ベトナムのハノイに落ち着いた。この事実は金正恩が米国訪問に消極的であることを示唆しているのではないか。
よく考えれば、トランプ曰くトランプと金正恩は「ケミストリーが合う」そうだが、米国と北朝鮮の「ケミストリー」は全く合っていない。そうした状況で、金正恩が米国を訪問するリスクは大きい。北朝鮮と同じく核開発を行なった国家で、かつ米国から制裁を受けたリビアの指導者カダフィは、米国が制裁を解除し、その数年後初めて訪米し、国連総会で演説を行っている。
相変わらず米国と北朝鮮は対立する国家であり、金正恩が米国を訪問することは、不測の事態もあり得るわけで、文字通り「命懸け」の外遊になる可能性が高い。金正恩が米国訪問する日は、限りなく遠い未来のように思える。