(ブルームバーグ): 東京電力が起債主幹事から野村証券を外した。情報漏えい問題が発生してから野村証の社債引き受けへの影響が続いている。

全額出資子会社の東電パワーグリッドは28日、5、10、15年で計1200億円程度の起債主幹事に野村証を除く5大証券としんきん証券を指名した。7月第1週後半に条件決定する。主幹事の1社のSMBC日興証券が資料で明らかにした。東京証券取引所の市場再編をめぐり情報漏えいをした野村証について東電PG広報の田邉健一氏は「震災後で主幹事から外れたのは初で、総合的に勘案して決定した」と述べた。

情報漏えいが5月に表面化した野村証は主幹事除外が相次ぎ、引き受けランキングは6月まで初めて2カ月連続で5位以下になった。東電PGは社債の定例発行体で起債額も1回1000億円前後と大きい。7月のランキングにも影響は必至だ。元社員が逮捕されたSMBC日興証券、国債先物での価格操作で三菱UFJモルガン・スタンレー証券も昨年度に東電PG債の主幹事から外されたことがあった。

野村ホールディングスグループ広報部の大津慈尊氏は東電PGの主幹事除外について「コメントは控える」と電子メールで回答した。東電は2011年3月の東日本大震災を受け社債発行を中断、17年3月に市場に復帰して東電PGとして起債している。

(第3段落にSMBC日興証券と三菱モルガンの例などを追加して更新します)

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