[東京 26日 ロイター] - 安倍晋三首相は26日、通常国会閉幕後の記者会見で、7月21日投開票の参院選について、政治の安定が最大の争点になるとの認識を示した。12年前の「亥年選挙」で自民党が惨敗した反省に立ち、「新たな時代に混迷の政治に逆戻りさせない」との考えも併せて示した。

首相は冒頭、国土強靭化や地方創生への取り組みに触れ、今後も投資を続ける考えを示した。

一方、公的年金以外に老後資金2000万円が必要とする報告書を念頭に「年金は老後の生活を支える柱。安心をしっかり確保する」と強調し、「デフレから脱却し、所得が上がれば年金給付が増やせる。原資を確かなものとするため、経済を強くする」と語った。

激しさを増す米中貿易摩擦で世界経済の下振れリスクが顕在化する場合は「機動的かつ万全の対策を講じる」と述べた。

参院選に関して首相は「最大の争点は『政治の安定』」との考えを示した。憲法改正については「最終的に決めるのは国民投票」とする一方で、「憲法の議論すらしない政党を選ぶのか(そうでないかを)決める選挙」と語った。

衆参同日選をなぜ見送ったのか、との質問には「見送るも何も、衆院選をやると申し上げたことは一回もない」と応じた。

大阪市で28、29日に開催する20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)では「意見の違いではなく共通点を見いだして解決策に到達したい」と述べ、課題となる自由貿易の推進に向け、「力強いメッセージを発出したい」と語った。エネルギーや安全保障分野でも重要性を共有したい考えを示した。

G20サミットに合わせて行われる米中首脳会議を巡っては「両国が対話を通じ、建設的に解決することを期待したい」と語った。

(山口貴也 編集:内田慎一)