[ウェリントン 26日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は26日、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を過去最低の1.50%に据え置いた。ただ、世界的なリスクが高まる中で、インフレや雇用の目標を達成するためいずれ利下げが必要になる可能性もあるとした。

ロイター調査ではエコノミスト15人全員が据え置きを予想していた。

中銀は声明で「世界経済見通しの悪化や足元の国内成長低迷のリスクを踏まえると、中銀が引き続き目標を達成するためにはいずれOCRの引き下げが必要になる可能性がある」とした。

併せて公表された金融政策委員会の議事要旨では、今回の据え置き決定が全会一致だったことが明らかになったが、「世界の成長鈍化や内需の低迷が続いていることを踏まえ、追加金融緩和が必要かどうか委員会は議論した。金融政策による一段の支援が必要である可能性が高いとの見解でメンバーは一致した」とも記した。

中銀は、低金利と財政支出の拡大が経済成長と雇用を押し上げるとの見方を示した。

インフレ率は中銀の目標レンジの中間値である2%に上昇し、雇用は持続可能な最大限の水準付近にとどまる見通しとした。

世界経済については「見通しは弱まり、貿易活動に関連する下振れリスクが強まった」とし、「世界経済の軟化は貿易、金融、信頼感のさまざまな経路を通じてニュージーランドに影響している」と指摘した。

また、住宅価格の下落や企業の慎重なセンチメントが、引き続き国内消費を抑えているとの見解を示した。

ウエストパックのチーフエコノミスト、ドミニク・スティーブンス氏は「中銀の声明のトーンを踏まえ、8月利下げの可能性が高いと予想している」と述べた。

市場では次回8月7日の会合での1.25%への利下げの確率が約63%織り込まれており、年末までに政策金利が1%になるとの見方も高まっている。

金利据え置きの発表後、NZドル<NZD=D4>は大きく変動せず、0.2%高の0.6646米ドルで推移。

NZ中銀は前回の5月の会合でOCRを25ベーシスポイント引き下げ、1.50%とした。

*内容を追加しました。