“できない”若者が、高度IT人材に変わるまで
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人間は遺伝と親と過ごした環境によって定義される。その割合は7割とも9割とも。残りの1〜3割が、後天的に自分がコントロールできる領域だ。
それを少ないと見るか、多いと見るか。何れにしても、自分でコントロールできる領域がゼロではないというのは確かだ。
人には今を維持しようとする力(ホメオスタシス)と変えようとする力(トランジスタシス)という二つの矛盾した力がある。生きることは変わることだ。しかし、同時に生きるということは「死=無」という原点に戻ろうとするものでもある。
つまり、自らの力だけで「変わる」というのは本質的には難しいのだ。その相反する力が常にせめぎあっているのが人間なのだから。
変わろうと思うのであれば、「環境」によって変化を強制することもまた必要なことなのだ。環境を変えれば人は変わる。変わりたいならば環境を変える。
環境を整えることは、変化のために、成長のために、必要不可欠だとまで言い切れる。
QT:
"新しい領域を学習する時は、自分でペースを決めるのが難しいので、短期集中にしてあげることによって学習に打ち込めるのかもしれません"
"近いゴールを設定することで、危機感も「やりきろう」という気持ちも大きくなる"
"僕が「できるわけない」と思っても仕方がないので、任せてみたらうまくいった"
"環境が変われば、人はこんなに変わるんだと実感しました"
"人の可能性は、個人の資質よりも環境の影響のほうが大きい"インタビュー第2回です。
当初、営業を学ぶビジネスコースのみ3年程運営してきた中で、どちらかというとコミュニケーション力の強い若者が集まっていましたので、ITコースを開設してみたいという想いはありましたが、"さて本人達にとってどうか"という懸念は拭えませんでした。
しかし、記事中の企業様よりビックデータを扱う人材育成の提案をいただいて上手くいった事例を活かし、コース開設に踏み切ってからは応募が殺到し続けています。
コース問わず彼らが持つ素直さは、ITを学ぶ上でもいかんなく発揮されています。
その姿は、まさに"ハマっている"状態。
いつも、社員より遅くまでオフィスに残り続けようとする子達がいるので、帰るのを促さないといけない程です。
そんなモチベーションの中、上京してきた当初素人レベルの状態から、一気に自分達だけで学習→実践できるレベルまで1ヶ月で成長します。
ちなみに、ヤンキーハッカーコースの開講にいたっては、サンフランシスコに伺い、"42""MINERVA""MAKE SCHOOL"などをはじめ13社・校の学習プログラムを見学させていただきました。ハッカーコースでもハッシャダイ側から教えるというよりも、自ら学ぶ状態を作ることを目指し今もカリキュラム改善に取り組んでいます。
今後も生徒達が興味を持ち可能性を見出せる領域に関しては、積極的に機会提供を行っていきたいと思います。久世さんの印象的な一言です。
「僕が『できるわけない』と思っても仕方がないので、任せてみたらうまくいった。」
インタビュー中も前後もずっと自然体な久世さんは、きっと何気なく発した言葉だと思います。
何らかの理由で自己肯定感が低くなったり、挑戦することを躊躇ったりしてしまう人たちにとって、根拠なくとも自分を信じて大きな仕事を任せてくれる人の存在は、大きいはずです。
小さい頃も今も、自分は誰かに頼られたり仕事を任せられたりすると、嬉しくてついつい頑張ってしまうことを思い出しながら、人のやる気スイッチは、案外近くに転がっているのではないかと思いました。