【核心】なぜ企業に「ビジョン」が必要なのか

2019/6/22
本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、隔週土曜日に話題のビジネス本の要約をお届けする「10分読書」。短時間で本の中身を学ぶことができ、現代のビジネスパーソンにぴったりの内容になっている。
ぜひ、週末のひとときで新たな知識を手に入れてほしい。
バブル経済の崩壊以後、「失われた時代」と呼ばれる4半世紀のあいだで失われた「もっとも重要なもの」は何か。
それは「ビジョン」だ。
人工知能、シェアリング、ブロックチェーンなどさまざまなテクノロジーが、人間のコントロール外で発達している。囲碁はすでに人間が人工知能に勝てないし、仮想通貨も世界中に流通しはじめている。
またライドシェア事業の「Uber」やオンライン民泊サービス「Airbnb」のような新興企業が、テクノロジーを駆使して既存産業の構造を破壊しつつある状況だ。
(写真:SOPA Images via Getty Images)
このような世の中で「ビジョン」もなしに企業を経営することは、地図やGPSも持たずに海を漂うようなものだと、今回紹介する「The Vision」の著者は指摘する。
本書は企業を念頭に執筆されたものだが、大部分の内容は個人についても当てはまる。主体的な意志がなく人生を歩むことは、外界の変化に後手後手に対応していくだけの「リアクション人生」となる。
公共的未来像(ビジョン)を持ち、自分の価値基準や行動原理、達成基準にもとづきながら、その未来像に向かって行動していかなければならない。
とはいえ「言うは易く、行うは難し」である。個人でも企業でも、なかなか具体的な行動には踏み切れないものだ。
しかし安心してほしい。
本書ではビジョンづくりのための具体的なツールやフレームワークも紹介されており、すぐに取り組めるようになっている。
大きな時代の流れに立ちすくむ前に、ぜひ本書を手にとり、最初の一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。

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