[ソウル 19日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は、朝鮮半島問題の政治的解決に向けた北朝鮮の「正しい方向」への取り組みを支持すると表明した。19日に北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」の1面に掲載された論説記事で述べた。

習主席は20─21日に訪朝する。同紙1面の論説欄が海外の首脳に与えられることはまれ。

2月のベトナムでの米朝首脳会談が物別れに終わって以降、外交的手段や経済再生への取り組みに苦戦している金正恩・朝鮮労働党委員長にとって、習主席の訪問は中国の後ろ盾をアピールする絶好の機会となる。

同紙によると、習主席は「(両国は)戦略的なコミュニケーションと交流を強化」するとし、「(金委員長が)同党と国民を率いて新たな戦略的道筋へと導き、経済発展や国民の生活向上への取り組みに注力することで達成した社会主義構造における成果を断固として支持」すると語った。

習主席はまた、北朝鮮と中国は教育、文化、スポーツ、観光、若者、農村部といった分野を含む民生部門で関係を拡大、発展させていくとした。

「われわれは北朝鮮とのコミュニケーションと協力の強化を通じて、地域の平和、安定、発展、繁栄に積極的に貢献する」と述べた。

「朝鮮半島問題を巡る対話と交渉を共同で迅速に進展させることで」他の関係国とも関与するとした。

北朝鮮への国際的な制裁には直接言及しなかった。国連の制裁には中国が支持したことで導入されたものも多い。

常任理事国のロシアと中国は18日、北朝鮮が海上で積み荷を移し替える「瀬取り」などで石油精製品を違法に輸入し、国連安全保障理事会が定める輸入量の上限を超えたとして米国が対応を求めていた問題で、保留を申し立て、結論が先送りされた。

*内容を追加しました。