[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米国株式市場は上昇し、主要株価3指数はそろって5カ月ぶりの大幅高となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が利下げの可能性を示唆したことが材料視された。

パウエル議長は、FRBが世界的な貿易戦争などに起因するリスクに「適切に」対応すると述べ、市場では利下げの可能性を排除しない姿勢を示したと受け取られた。

セントルイス地区連銀のブラード総裁も前日、世界的な貿易を巡る緊張の高まりによる世界経済に対するリスク、および低調な米インフレを踏まえると、米利下げは「近く正当化」される可能性があるとの考えを示していた。

CMEグループのフェドウォッチによると、市場では年内に最低1回の利下げが実施されるという予想が織り込まれている。

TDアメリトレードの首席市場ストラテジスト、JJ・キナハン氏は「95%の確率で利下げ予想が織り込まれる中、経済動向に応じて行動するとFRBが表明することは心強い。関税によって経済が減速すれば、FRBは利下げを検討するだろう」と述べた。

トランプ米大統領は前週、メキシコ国境からの不法移民流入に同国が十分に対応していないとし、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課し、移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げると表明した。

メキシコのメキシコのロペスオブラドール大統領はこの日、米国との移民問題について、6月10日より前に米国と合意が得られるとの見通しを示した。これが市場の安心感につながったとも指摘された。

米紙ワシントン・ポストによると、議会共和党はトランプ大統領の提案したメキシコ関税導入案の阻止に向けた協議を進めている。

また、中国商務省が、通商問題を巡る米国との見解の違いは対話と交渉で解決すべきとの見解を示しことも、市場心理改善に寄与した。

しかし、前出のキナハン氏は、貿易問題を巡る動きは日に日に変化する可能性があり、「割り引いて」判断すべきと指摘した。

前日に調整局面入りが確認されたナスダック総合はこの日、アップル<AAPL.O>とマイクロソフト<MSFT.O>主導で反発。S&P情報技術株<.SPLRCT>も3.3%高で引けた。

米10年債利回り上昇を追い風に、S&P銀行株<.SPXBK>も3.65%上昇した。

ディフェンシブ銘柄の公益株も買われ、S&P公益事業株<.SPLRCU>は0.04%高で引けた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を4.07対1の比率で上回った。ナスダックでも3.18対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は75億3000万株。直近20営業日の平均は71億6000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 25332.18 +512.40 +2.06 24962.82 25343.77 24962.82 <.DJI>

前営業日終値 24819.78

ナスダック総合 7527.12 +194.10 +2.65 7413.94 7529.50 7385.02 <.IXIC>

前営業日終値 7333.02

S&P総合500種 2803.27 +58.82 +2.14 2762.64 2804.49 2762.64 <.SPX>

前営業日終値 2744.45

ダウ輸送株20種 10083.76 +323.90 +3.32 <.DJT>

ダウ公共株15種 793.18 +1.41 +0.18 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1355.26 +54.74 +4.21 <.SOX>

VIX指数 17.04 -1.82 -9.65 <.VIX>

S&P一般消費財 891.08 +22.87 +2.63 <.SPLRCD>

S&P素材 349.98 +9.40 +2.76 <.SPLRCM>

S&P工業 623.50 +14.41 +2.37 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 581.98 +4.50 +0.78 <.SPLRCS>

S&P金融 445.34 +11.74 +2.71 <.SPSY>

S&P不動産 224.81 -1.26 -0.56 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 445.06 +7.05 +1.61 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1027.09 +17.02 +1.69 <.SPXHC>

S&P通信サービス 155.80 +2.67 +1.74 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1276.85 +40.36 +3.26 <.SPLRCT>

S&P公益事業 297.11 +0.12 +0.04 <.SPLRCU>

NYSE出来高 9.32億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 20725 + 365 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物6月限 円建て 20730 + 370 大阪比 <0#NIY:>