[サンフランシスコ/ベンガルール 30日 ロイター] - 米配車大手ウーバー・テクノロジーズ<UBER.N>が30日発表した第1・四半期(3月31日まで)決算は約10億ドルの赤字となった。売上高は20%増えたものの、料理宅配サービスなどへの多額の投資が収益に響いた。

今月10日の上場以来初めての四半期決算発表。純損益は10億1000万ドル(1株当たり2.26ドル)の損失となった。ウーバーが示していた見通し(10億─11億1000万ドル)とおおむね一致した。グラブとヤンデックスに一部事業を売却した前年同期は37億5000万ドル(同1.84ドル)の純利益を計上していた。

売上高は31億ドル。会社見通しは30億4000万─31億ドル、リフィニティブIBESがまとめたアナリスト7人の予想平均は30億4000万ドルだった。

ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)が電話会見で第2・四半期に販売促進策の削減など事業の改善がみられていると述べ、株価は時間外取引で2.6%上昇。同CEOは2019年は「投資の1年」になるとの見通しも示した。

ただ、株価は新規株式公開(IPO)価格の45ドルを約10%下回る水準にある。

コスロシャヒCEOは「われわれの仕事は長期的に規模を拡大して効率性を高めながら急成長することだ」と語った。

ウーバーが今回の決算で会社予想を達成したことは、投資家にとってある程度の安心材料になるとみられる。

第1・四半期の費用は35%増。株式上場に向け支出を拡大させたことが響いた。運転手への支払いなどを差し引く前の取扱高(グロスブッキング)は前年同期比34%増の146億ドル。前四半期から3.4%増で、飽和する市場の中で新たに運転手を確保する難しさが浮き彫りとなった。

ただ、ウェドブッシュのアナリスト、イゴール・アロウニアン氏は運転手やレストランへの支払いを差し引いた後のウーバーの取り分の改善や増収率の加速は好材料だと分析。「黒字確保はまだ先になるが、ウーバーは多くの主要な財務指標で大幅な改善傾向を見込んでおり、投資家にとって重要なシグナルだ」と述べた。

料理宅配サービス「ウーバーイーツ」への投資を反映し、運転手へのインセンティブは全体で前年同期の2倍以上に増えた。コスロシャヒCEOは、料理宅配部門で配車サービスをどのように役立てるかを探る「極めて早期の段階」にあると指摘。また、ウーバーイーツ部門での同社の取り分は2019年に改善するとの見通しを示した。

世界的な月間アクティブユーザー数は9300万人と、昨年第4・四半期末の9100万人から増加した。

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