[東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円後半。実需の買いフロー、日経平均の下げ幅縮小や米長期金利の持ち直しを受けて、ドルは底堅さを保ったが、米長期金利の持ち直しが一服すると、ドルは上げ渋った。

朝方の取引では、輸入企業によるドルの手当て買いがみられた。ただ、「109円の後半まで水準が切り上がってきたため、109円の前半だった昨日よりも実需の買いは少なかった」(金融機関)という。

午後の取引では、前日に1年8カ月ぶりの水準まで低下した米長期金利が2.26%台まで持ち直したことでドルは下支えされたが、米長期金利の反発が頭打ちとなったことで、ドルの上昇は一服した。

「どこまで金利低下が進むかが、金融市場全体のドライバーとなっている」(トレーダー)という。

現行の米10年国債利回り<US10YT=RR>は、米国が2015年12月半ばにゼロ金利政策を解除する以前の水準に逆戻りしている。

米連邦準備理事会(FRB)は2015年12月16日にFF金利の誘導目標を0.25―0.50%に引き上げ、ゼロ金利政策を解除。

その後は9回の利上げを経て、米10年国債利回りは昨年10月に3.26%とゼロ金利政策解除後の最高水準をつけた。しかし、その後は低下トレンドが続き、足元では「9月の利下げを織り込み始めた」(証券会社)という。

実際、FF金利先物9月限は目下97.71付近と計算上は21ベーシスポイント(約1回)の利下げを織り込んでいる。

ユーロは122円前半と、海外市場でつけた1月以来の安値から小幅に切り返した水準でもみあいとなった。

ユーロ/ドルは1.1134ドル付近で弱含み。市場では、欧州政界におけるポピュリスト勢力の拡大や英国のEU離脱がユーロ圏経済に与える悪影響に対する懸念から、ユーロの軟調さが続くとの見方が多く、「早々に1.11ドルを割り込む展開になる」(外国銀行)との予想も出ていた。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 109.68/70 1.1134/38 122.14/18

午前9時現在 109.55/57 1.1134/38 122.00/04

NY午後5時 109.65/68 1.1130/35 121.97/01

(為替マーケットチーム)